晶華酒店の
沐蘭SPA(字面がすでに美しい
)。
なにもかもがとても素敵だったというのに、写真を撮れなかったのがかえすがえすも口惜しい
。詳しく紹介されている
旅々台北様をご参照ください。
予約は事前にメールで行いました。日本語メールでも大丈夫らしいです。オンライン予約はありません。予約の少し前に行ったりする必要はなく、時間どおり午後六時半にレセプションへ行くと、最初から日本語での応対です
。
頻繁にアロママッサージに通う私ですが、これまで試したことがなかったマッサージ
。それがふたりのセラピストに同時にマッサージしてもらうという
ダブルマッサージです。値段を見るとマンダリンオリエンタル東京のスパの約三分の一
!これはもう初体験するしかないではないですか!!!
せっかくなので、
『沐蘭のお薦め』という4時間半のコースにしました。ダブルマッサージに、ボディラップかスクラブからひとつと、フェイシャルトリートメントがセットになっています。ボディラップのボレーと、フェイシャルはトマトパックを選んでいざお部屋へ。なんと担当のセラピストまでが流暢な日本語をお話しになる
!
出会った瞬間、ひと目で恋に落ちました
。ふくよかで骨格のしっかりしてそうな体つきの彼女。この体型のセラピストで外れたことはない。かつて一度もない!
絶対この丸っこそうな手は気持ちがいいに違いない!
そんな彼女に日本語でお部屋の説明を受けます。
お部屋も過去最高…。洗面台を挟んでトイレの向かい側に脱衣室があってなぜそのすべてがガラス張りなのはともかく、お化粧をする場所は別に取られていて、なんとも贅沢な間取り。お部屋自体が広いのですが、そのど真ん中に何かの石でできているようなバスタブがあります。そしてその手前にはスチームサウナ状のシャワールームがあります。バスタブの奥にはマッサージベッド、そして窓際にはデイベッドのような大きなベッドがあります。
シャワールームでさっと汗を流し、バスローブに着替えると、窓際のデイベッドに用意された甘いジンジャーティーを飲みます。窓際の竹の装飾越しに外を見ると、市街地から近い国内線空港にかなり頻繁に飛行機が着陸しているようです。それにしても目の前のマンションから望遠鏡で覗いたらよく見えちゃうだろうなあと少し不安
。
「20分ね」と時間を区切られていましたが、けっこうゆったりとしながら、愛しい愛しいセラピスト様を待ちました
。
そして、ついに入り口の方から
「い〜いで〜すか〜?」と能天気にも聞こえる声がします。天使の歌声のようです
。
早速花びらを落としたお湯に足をつけて軽くマッサージ。
これは…!更に期待できそう!!!
バスローブを脱いでマッサージベッドにうつぶせになるとシーツの上から軽くマッサージが始まりました。
ほらほらほらほら〜っ!や〜っぱりね〜っ!我が目に狂いなしっっっ!
彼女は見た目に違わぬふっくらした指先で全身をくまなく揉みほぐします。なんて気持ちのいい指!故宮博物院で歩き疲れといて良かった〜と思うほどです。
そしてまずはボディラップから。ダイエット効果があるということでボレーにしました。いろんな香辛料が混ざった何かを(私には見えていません)体じゅうに塗っていきます。ボディラップの時にはいつも思うのですが、塗っている間、体から気化熱が奪われてとても寒い
!南の島の屋外でやっていても寒い!どうにかならないものでしょうか。仰向けになって全身に塗り終わると、シーツでかなりきつくぐるぐる巻きにします。血液循環を促し、脂肪を燃焼させるということですが、確かに次第に
ポッポポッポと体が火照ってきます。
しばらくミイラ状態で待っていたわけですが、ラッピング中のこの時、私は日本だろうと、外国だろうと、ただひとつ同じことを考えてしまいます。
マッサージ中…特にボディラップ中ってこのうえなく無防備だよな〜、今、『こいつ気にくわんから殺しちゃえ』って悪魔が彼女(セラピスト)の頭の中に囁いたら完全に死ぬよな〜。
幸い(アタリマエ)無事ボディラップは終了し、スチームサウナの中でシャワーを浴びます。そしてまたしても甘いジンジャーティー。今度は「15分ね」と言われました。
そして明らかに15分以上たって、入り口の方から
「い〜いで〜すか〜?」の声が
。
今度は二人!そう、いよいよ今回の目玉、ダブルマッサージの時間がやってきたのです。期待に胸が高鳴ります。
ベッドにうつぶせに寝ると、その幸福な時間は突然始まりました。いつも聞かれる「特にどこを重点的に?」とか「どこか触らない方がいい場所はありますか?」というような質問はいっさいなし。きっと彼女らは
マッサージの神の申し子(…)なのだわ。手をかざした瞬間にすべてがわかるんだわ。
オイルをつけ、一人は背中、もう一人は足から始まりました。
ななななっ、なんじゃこりゃ〜っ
ありえない感触なんです。それぞれが別々の手だとわかっているのに、シンクロしているもんだから、まるでひとりの人間に触られているようで、でも手が四本あって…。非常に悪いたとえですが
『手がたくさんある一匹の妖怪に撫でられている』気がします。しかし、それがね、それがね、それがね。
もう垂涎モノ
の気持ちよさなのです。
そしてやはり彼女らは神の子でした。なんで今日はそこがつらいってわかるのさ〜と尋ねたくなるほど、力の入れ具合、抜き具合が完璧なのです。かつてこんなに「あ、そこはもっと優しく。あ、そこはもっと強く」と思わずにマッサージを受けたことはありません。彼女たちはまた「強さは大丈夫ですか」と聞くこともしません。
夢のような時間はまたたく間に過ぎ去り、頭のマッサージに移ります。メインの彼女がやってくれているようです。その指、その力加減、間違いなく
ダントツで私史上第1位です!
「20分ね」と言って彼女が部屋から出て行くと、魂が抜け落ちた私はゆっくり湯船につかりました。檜製のラックにはフルーツが乗っています。窓には夜景。時折着陸する飛行機がキレイ。
そして最後の
「い〜いで〜すか〜?」
フェイシャルトリートメントが始まりました。正直言ってものの5分ほどで寝てしまったので何をされていたのかさっぱりわかりません。口惜しや…。
でも翌日の化粧のノリは本当に良かったです。
すべての施術が終わり、とても名残惜しいけれど部屋を出ました。スッピンでお礼を言います。夜に施術が終わってからスッピンで部屋に戻れるように、このホテルにしたわけで、きっかけはこのスパだったのです。
絶対またここに泊まって、こころゆくまでダブルマッサージを受けるぞ〜!そんな決意も新たに、さて長風呂にでも入るとするか
、とお部屋に戻ったのでした。